2016年1月30日土曜日

News: 両親の鬱病は早産につながる?

今日のMED News.


妊娠中やその直前に両方の親が鬱病を患っていた場合、胎児が早産で生まれる可能性が高まるという研究結果が出ました。"BJOG: An International Journal of Obstetrics & Gynaecology" に掲載されたこのスウェーデンの研究によると、胎児には母親だけでなく、父親の精神的健康状態も影響するということです。
 
ストックホルム・カロリンスカ研究所では、2007-2012年の間で起こった350,000以上の出産のデータが集められ、その中でも早産のケースにおいて鬱病との関連性が検証されました。
両親の鬱病に関しては、妊娠12週間前から妊娠24週目の終わりまで、抗うつ剤の服用、またはその他の抗鬱セラピーを受けていることが条件とされました。妊娠の一年前までに鬱病と診断されていない場合は新しい診断、それ以降であれば反復的、とされました。
 
 このうえで、特に早期早産である妊娠22から31週目の出産と、中期早産である32から36週目のグループに分けて検証した結果、母親が鬱病の場合、新しい診断でも反復的なものでも、中期早産のリスクが30-40%高まるという結果が出ました。 父親が妊娠一年前以内に新しく鬱病を患っていた場合は、早期早産の38%のリスク上昇がみられました。逆に、それ以前の鬱病疾病においては、早産リスクに変化は見られませんでした。
 
「パートナーの鬱病は、妊娠中の女性のストレス要因となり、結果から見て分かるように早期早産のリスクを高めることが分かった」と、論文の第一執筆者である Anders Hjernは言います。「これまでの研究において、父親の鬱病は精子の質、胎児の遺伝子発現や胎盤の機能に影響を与えることが分かっている。逆に反復的な鬱病ではこの危険が低いという結果は、抗鬱治療による鬱病の軽減化が早期早産のリスクを抑えていることを示しているのかもしれない。」