2015年12月3日木曜日

News: 騒音地区住民はうつ病になりやすい?

今日のMED News。

大通り沿いの騒音地区に住む住民は、うつ病になりやすいという記事がありました。

ドイツ・ドゥイスブルグ‐エッセン大学の研究にて、45歳から75歳の被験者3300人に対して「環境健康視点」(Environmental Health Perspectives)の研究がドイツの4つの市で行われ、「5年間のうち、騒音地区の住民は、比較的静かな通りに住む住民よりも、うつ病を多く発症した」という結果が発表されました。

この研究によると、 24時間騒音平均レベルが55デシベル以上、または夜間騒音レベルが50デシベル以上の場合に、うつ病発症のリスクが25%上がるそうです。

また同時に、学歴の低い被験者は、比較的学歴が高い被験者よりも騒音に敏感に反応するという結果も出ました。これは、先述の被験者がより多くのストレス要因にさらされており、この多さによってストレスに対処する力が低くなっていることが原因として予想されました。


なかなか興味深い記事ですね。

確かに、一日中騒音を聞かされていると集中力が落ちてしまうし、音が気になってイラついてしまい、家にいるのに落ち着かず、物事を十分に楽しめない状況にな るでしょう。こうしたストレスに常にさらされ、体内のストレスホルモンが常に上昇してしまうと、うつ病になりやすい。(詳しいことは、うつ病のメカニズム についての記事でお話します。最近習ったばかりですが。)
また、こうした状況で思ったことがうまくできないのを自分のせいにしてしまい、本当に何事もやる気が起きなくなってしまううつ状態になるのは、時間の問題ともいえるかもしれません。

学歴との因果関係については、様々なストレス要因のほかにも、学歴が低いことにより収入が低く、よって家賃の安い騒音地区に住まざるを得ない状況になっている人々が被験者になっているのではと思います。
こうなると、教育システム・社会制度の問題と、騒音地区の防音対策の問題など、様々な観点からアタックする必要性が見えてきますね。

まだまだ展開の余地がありそうな研究です。続報にも期待しましょう。


元記事:
Depressionen als Folge von Verkehrslärm
APA Nov 30, 2015
http://www.univadis.de/medical-news/173/Depressionen-als-Folge-von-Verkehrslaerm?utm_source=newsletter+email&utm_medium=email&utm_campaign=medical+updates+-+daily&utm_content=500436&utm_term=automated_daily

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